2014年9月18日木曜日

安藤七宝店 おもてなし留学レポート - part2


その④ 七宝焼体験(2)

 

 さて、作業開始から約2時間、あっという間にお昼の時間になりました。作業を途中でやめ、安藤さんに近くのカフェに連れて行っていただきました。おしゃれな店内と、おいしいご飯を楽しみながら、安藤さんと鈴木さんからいろいろな話をしていただきます。安藤さんの年齢が高校生2人の両親の年齢と近いことがわかり盛り上がったり、会社の中での決まりごとについても少し教えていただきました。何気ない会話も高校生たちにとって刺激になったようで、楽しい時間でした。

 

 お昼の休憩を終えると、ふたたびお店に戻って七宝焼の体験を再開します。釉薬を盛ってはオーブンに入れ、また釉薬を盛ってと作業を繰り返し、ようやく完成です。

出来映えは、、、2人とも、色がとてもキレイに出ていました!初めてとは思えないと鈴木さんからもお褒めの言葉が。








【つやつやの表面とキレイな配色!お見事です!】

 

それでも、時間ぎりぎりまでまだまだやりたい!と高校生。2つ目の作品を作らせていただくことになりました。作業を重ねるたびにコツを掴んでいくようで、どんどんスムーズに進めていきます。2つ目の作品も完成したところでちょうど時間になりました。








あとは、それぞれの作品にブローチピンやネックレス用の金具を取り付けたりして、仕上げです。この行程は、鈴木さんにお任せしてやっていただきました。

【完成したネックレスを手に満面の笑み!お気に入りの作品ができました♪】

 

 2人は世界にひとつだけの作品にとても満足げでしたが、時間がもっとあればまだまだやりたかったよう。七宝焼の魅力を肌で感じることができたみたいです。

 

その⑤ 贈るひとから贈られるひとへ、気持ちを包む“包装”

 

 七宝焼の体験が終わると、今度は包装の体験に移ります。先ほど作った自分の作品を箱に入れ、包装紙で包み、リボンをかける、その一連の行程をレクチャーしていただくようです。これらのレクチャーをしてくださるのは、本日2人目の先生、山崎さんです。山崎さんはいつも売り場の担当をされている社員さんで、いわば包装のプロです。

 

 まず、作品を入れる箱の組み立てから。折り目のついた複雑な形の紙を折り目のとおりに折っていくと、きれいな容れ物ができあがります。ふたも同様に組み立てると、ぴったりと重なってひとつの箱になりました。高校生たちもてきぱきと箱を組み上げていきます。続いて、できあがった箱に作品を入れるのですが、箱にそのまま入れてしまっては、ごそごそと中で動いてしまいます。そこで、箱の中には薄い紙をくしゃっと丸めたものを敷き、その上に作品を置くようにして入れます。紙を丸めるのも、プロの山崎さんがやるとどこか美しい形に。高校生も負けじと作業を進めます。








【くしゃっと丸めるのも、やってみるとなかなか難しい。】

 

 今度は、包装紙で箱を包みます。包まれる箱と包む包装紙の大きさによって包み方を変えるそうで、3種類ある包み方のうち、今回はひとつに挑戦させてもらいます。

 「これくらいの角度で箱を置いて〜」「こうやって箱に沿って紙を折り曲げて〜」など、1つ1つの行程を説明しながら、お手本を見せてくれる山崎さん。簡単そうに紙を折ったり箱を転がしたりしていますが、やってみるとなかなかぴったり包めず、紙がずれてしまったり、隙間ができてしまったり。高校生たち、なかなか苦戦していました。








【思い通りに包装紙と箱が動いてくれなくて、苦戦。】

 

 苦労して箱を包装し終え、最後はリボン掛けです。リボンを掛けると、たちまちかわいい贈り物へと変身します。最後まで丁寧に作業を進める2人でしたが、その甲斐あって、とてもかわいく包装することができました。

 

 

 










【リボンを掛けたら完成!】

 








【おつかれさまでした。充実した体験でしたね!】

 

 午前中から集中して体験させていただいていたので、少し疲れもあったかもしれませんが、できあがった贈り物に2人の笑顔がこぼれます。七宝焼の体験から包装まで、一連の流れを学ぶことができました。山崎さんからは、「贈るひとにも贈られるひとにも楽しんでもらえるように、また、贈るひとの気持ちを一緒に包めるように、いつもおもてなしの心で包装をしています。」とお話していただきました。包装のためのひとつひとつの行程には、確かにおもてなしの心があったと思います。同じ行程を体験した高校生2人にも山崎さんの言葉はすっと入ってきたようで、頷きながら話を聞いている姿が印象的でした。

 

 さて、2つの体験を終え、あっという間に時間になってしまいました。最後に安藤さんにもう一度お話をしていただきます。

「おもてなしは、作り手の職人さんが素材やあらゆる行程にこだわることから始まり、できあがった商品をお客様のもとに届けるまで、リレーのバトンのようにそれぞれの場所や行程で気持ちを繋ぐものだと思います。そして、この銀座のお店は、このおもてなしのリレーのアンカーのような存在だと思っています。」

 

 安藤七宝店の、七宝焼そしてお客さんへの想いに触れることは、今回のおもてなし留学にて気仙沼でのおもてなしを考えていく上でとても貴重な経験になったのでは、と思います。伺ったお話や体験の中に、たくさんのヒントがあったような気がします。

 今回お世話になった安藤七宝店の安藤さん、鈴木さん、山崎さん、この場を借りてもう一度お礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 

(かんだ)

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